ECを始めて売上が伸びても続かない。事業部としての存続が難しい。
そんな事例をよく耳にします。
全国のEC事業者のうち、7割以上が3年以内に継続を断念していると言われています。
多くの場合、原因は「売れない」ことではなく、
“売れても利益が残らない構造” にあります。
売上が上がっても手元に残らない構造
例えば、単価5,000円の商品を販売しているとします。
ここから原価2,000円、送料1,000円、広告費2,000円を引くと、
手元に残るのは──ゼロ、もしくは赤字です。
もちろん広告を止めれば利益は出ますが、
新規顧客がいなくなれば、徐々に売上の縮小は進みます。リピート客も一定数の離反は進むため。
リピートと構造の設計が鍵
仮に1回目の購入で利益がほぼ出なかったとしても、
2回目・3回目の購入で広告費がかからない状態を設計できれば、
最初の赤字は“投資”として回収できます。
たとえば先ほどの例で、初回は
「原価2,000円+送料1,000円+広告費2,000円=5,000円」で利益ゼロでも、
2回目の購入で広告費が不要になれば、+2,000円の利益になります。
つまり、「売る」よりも「どう繰り返してもらうか」の仕組みを
最初から設計できているかどうかが、重要になってきます。
“売れる仕組み”より、“続く仕組み”を
多くのECが「一時的に売れる」ことはおそらくできます。しかし、続けられる仕組みがなければ、
いずれ売上よりも苦しさが大きくなります。
この“続く仕組み”を支えるのが、数字の設計と、お客様との関係性づくりだと思っています。
後編につづく